ビジネスシーンにおいて似ているけれど使い分けをしておきたい用語がいくつかありますよね。
例えば「定量的」と「定性的」。「定量的」に考える場合と「定性的」に考える場合で、どのような違いがあるのでしょうか?
「定量的」とは、数量やデーターベースに沿っていること。一方で「定性的」は、なぜどうして?という理由まで食い込んで処理を進める考え方になります。
この2つの用語にどのような違いがあるのかを、解説していきたいと思います。
「定量的」と「定性的」に説明をするというのはどういう意味か?
定量的な数値が効率を上げるケースとは?
例えば何らかの調査を行っているとしましょう。その時に実際の目標を定量的に示すことに大きな意味があります。
つまり定量的な数値を前に示すことでプレゼンテーションや商談が進みやすくなるというわけです。
簡単にいえば、「定量的」とは具体的な数値で分かりやすく説明するという意味にとらえるといいでしょう。
数字を知りたい相手にとってはあいまいに示されるよりも、定量的な説明をしてくれるほうがいいわけです。
定性的に状況を説明するケースとは?
例えば売り上げが悪い何らかの案件をどのように改善していけばよいのか、という説明をするとしましょう。
その際には数字や目標だけを示すのではなく、「~すれば~が改善される」という説明が功を奏します。
このように「なぜ?」「どうして?」という意味合いを含めた話の組み立て方を「定性的」と言います
人事評価においての意味
「定量的」な目標を立てる意味
個人の目標を立てていくとき、数値として示すことで実際の達成率をシビアにすることが可能になります。
「定量的」な目標は、短期的で業務に直結した方がいいでしょう。営業職ならば、売り上げ達成目標を明確に示しておく。そうすることで、「定量的」な目標に対してどれだけ達成していたのかという分析が可能になります。
「定性的」な目標を立てる意味
また、「定性的」な目標を立てることにも大きな意味があります。「定性的」な目標は、中長期的で業績に直接的なことだけではなく、間接的な貢献度も加味するといいでしょう。
残念ながら「定量的」な目標を達成することができなかった場合、別の評価軸として「定性的」な目標に対してどの地点にいるのかを把握することが大事になってきます。
「定性的」に考えることで、なぜ目標が達成できなかったのか?なにがそれを阻んでいるのか?というところまで掘り下げることができるのです。
その次に、「~を達成するために~を行い(~を廃止し)実行に移す」などという目標を「定性的」に示すことができます。
ビジネスシーンでは両方の考え方がそれぞれに機能するべき
「定量的」「定性的」な2つの目標を駆使する
「定量的」な調査から得た何らかのデータは割合や数字示すことが可能になります。ただ数字だけで示しても今一つ説得力に欠ける場合がほとんどです。
理屈だけではない裏付けも必要になるのです。数や割合を示すだけで100パーセント評価できるかというと疑問です。
そこで「どのようにすれば」「なぜそうなるのか?」という「定性的」な調査結果や中長期目標を合わせて示すことが大切になってきます。
「定量的」な考えと「定性的」な考えは、そもそもの違いがあります。どちらが優れているということではなく、2つを場面ごとに使い分けていきましょう。
ほかにもある使い分けたいビジネス用語
ビジネス用語にて、違いが分かりにくい用語はまだまだあります。いくつか確認していきましょう。
「プレゼン」と「ピッチ」
「プレゼン」とは、「プレゼンテーション」の略であり、自らの意思を他社に伝達するための表現を意味します。社内や社外の人たちに、計画や企画案などを、スライドなどを使いながら説明します。
一方、「ピッチ」は「短い時間でのプレゼンテーション」と定義すると分かりやすいでしょう。「ピッチ」はシリコンバレーでよく使われている言葉で、投資家へのアピールタイムのこと。
「ピッチ」では、新しいアイデアを短い時間で伝える必要があります。「プレゼン」よりも相手を説得したい気持ちが強いのが「ピッチ」と言えます。
「スキーム」と「プラン」
「スキーム」とは、「枠組みのある計画」という意味になります。継続性があるプロジェクトなどにおいて、「スキーム」を立てることが必要になってきます。事業の計画を示す「事業スキーム」や、サービス利用者が課金を行う仕組みを指す「課金スキーム」といった言葉が使われます。
「プラン」は「計画」だけを意味します。基本計画や構想といった意味合いが強いでしょう。
「コンセンサス」と「コンプライアンス」
「コンセンサス」は「共通見解」を意味し、複数の人の合意ということになります。「コンセンサスをとる」という言葉はよく使われますが、「複数の人と合意を得た」という意味合いになります。ある集団内で合意形成されることを、「コンセンサスが形成される」という表現を使う場合もあります。
「コンプライアンス」は、「企業が法律や規則を守ること」を意味します。企業倫理が問われる場面で使われる言葉で、メディアでもよく聞かれますよね。「コンプライアンス」の動詞形は「コンプライ」で、「応じる、従う、守る」を意味します。
「ステークホルダー」と「ストックホルダー」
「ステークホルダー」は、「掛け金を預かる第三者」という意味があり、「利害関係のある人や団体」を指します。企業を例にすると、消費者・顧客・従業員・株主・得意先・仕入先などが「ステークホルダー」になります。
「ステークホルダーを重視した企画書」というと、意味としては「利害関係者を重視した企画書」になります。よく似ている「ストックホルダー」は、「株主」を指します。
「弊社」と「当社」
「弊社(へいしゃ)」は謙譲語になりますので、「当社」よりもへりくだった丁寧な表現といえます。ただ「当社」が失礼にあたる表現になるわけではありません。「当社」は相手を高める意味がないので、純粋に自分の会社という意味だけを持っています。
ですので、強気のプレゼンを行うとき、あるいは先方へ抗議するときなど、強気の場面では「当社」を使うほうがよりナチュラルだと言えます。
「省略」と「割愛」
どちらも「省く」という意味合いがありますが、前提の考え方が違います。
「省略」は「不要なものだから省く」、「割愛」は「本来は必要なものだけど省く」という意味合いがあります。つまり「割愛」は、惜しいけれど省略が必要なので手放すという思いがあるわけですね。ビジネス上、使い分けていると、なぜ省いたのかの意味が明確になります。
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